前日の海外市場で、英紙がEFSF拡大及びPSI(ギリシャ債務の民間部門関与)ヘアカット率上昇で独仏が合意と報道したことをうけて、ユーロが上昇。その後、スペインの格下げで少し調整が入って迎えた19日の東京市場。現在の市場の最懸念材料であるギリシャ問題解決に向けて、EFSF拡大とPSIヘアカット率上昇に関する独仏の対立がもっとも大きなネックとなるとみられていただけに、同報道の影響は大きく、東京市場でも再びリスク懸念後退の動きが強まり、ユーロや豪ドルなどが対ドルで前日海外市場高値圏まで持ち上げられた。新規材料がでたわけではなく、海外市場高値を超えてからの買いにはやや慎重な姿勢も見られたが、クロス円も軒並み上昇するなど、全般にしっかりの展開であった。

◆ロックハート・アトランタ連銀総裁 前向き姿勢
東京市場の朝に行われたロックハート・アトランタ地区連銀総裁の講演では、最悪シナリオの可能性が低下、QE3は現状その時期ではないなど、米経済の状況に前向きな姿勢が目立った。昨日のラッカー・リッチモンド連銀総裁も追加緩和に否定的な一方、エバンス/シカゴ地区連銀総裁は、追加緩和に前向き姿勢を示しており、FRB内での状況認識のばらつきが目立つ状況となっている。

(Klugチーフストラテジスト山岡和雅)