内閣府が1月19日に発表した12月の消費動向調査(調査基準日:12月15日)で、一般世帯の消費者態度指数(原数値)は37.6(前月比▲1.9ポイント)になった。低下は2カ月連続。内訳(消費者意識指標)を見ると、政府がエコポイント・エコカーの延長を決めたことや、薄型テレビの店頭価格が大幅に下がっていることがおそらく寄与して、「耐久消費財の買い時判断」がわずかながら2カ月ぶりに上昇したものの、「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」は、いずれも低下。特に、「雇用環境」が今回30.8になり、大幅に下がったことが目を引く(前月比▲4.2ポイント)。また、四半期ベースで公表されている消費者態度指数の季節調整値は、10-12月期分が38.6(前期比▲1.6ポイント)となり、4四半期ぶりに低下した。内閣府は12月の消費者マインドについて、基調判断を前月の「弱含みとなっている」から「弱い動きがみられる」へと下方修正した。

 一方、消費動向調査における物価の見通しに関する調査結果(一般世帯)では、1年後の物価について、「低下する」とした回答の合計が4カ月連続で増加して31.9%になった。これは過去最高の数字。一方、「上昇する」とした回答の合計は29.2%にとどまった。これは過去最低の数字である。

 1年後の物価についての消費者の見方は、2005年以降2008年まで、ガソリン小売価格と連動していた。ところが、昨年はガソリン小売価格が反転上昇を続けても、おそらくはそれ以外の様々な身近な品目のデフレ(「食のデフレ」「衣のデフレ」など)に影響されて、消費者の物価認識はさほど上向かず、昨年9月以降、「上昇する」とした回答の合計は、じりじりと切り下がってきた。石油情報センターの月次調査によると、ガソリン(レギュラー)小売価格の全国平均は、昨年12月は1リットル=127円で、前月比横ばいだった。しかし、12月の消費動向調査では、2004年4月からの現行調査で初めて、「低下」とした回答(31.9%)が、「上昇」とした回答(29.2%)を上回った。デフレ認識の浸透をうかがわせるエピソードである。