内閣府は17日、7-9月期の四半期別GDP(国内総生産)速報(QE)を発表した。実質GDPは前期比▲0.1%(同年率▲0.4%)で、市場予想中心からやや下振れて、2四半期連続のマイナスになった。前期比寄与度は、内需が+0.1ポイント、外需が▲0.2ポイント。外需の寄与度マイナス幅は2002年7-9月期以来の大きさ。
また、実質GDPは前年同期比でも▲0.1%となったが、マイナスになったのは2002年4-6月期以来のことである。景気後退が続いていることは明らかで、市場の関心はその深さ・長さに移行している。
名目GDPは、前期比▲0.5%(同年率▲2.1%)で、こちらも2四半期連続のマイナス成長。前年同期比は▲1.7%で、1-3月期の同▲0.1%、4-6月期の同▲0.9%よりもマイナス幅を拡大している。
7-9月期の交易利得(交易損失)は▲31兆7845億円。実質GDPに交易利得を加えた(実質GDPから交易損失を差し引いた)実質GDI(国内総所得)は、前期比▲0.6%(同年率▲2.5%)で、2四半期連続のマイナスとなった。原油など原材料価格の急反落からみて、交易利得のマイナスは10-12月期以降、縮小していくものと見込まれる。
そのこと自体は景気・企業収益にとってポジティブな材料となる。しかし、信用不安を背景とする景気悪化の急速な進行から、輸出数量が落ち込む流れが見え始めており、景気・企業収益にとって、より大きな悪材料になってくる。