マット安川 今回のゲストはオピニオン誌主幹の南丘喜八郎さん。野田政権「どじょう内閣」についてお聞きしました。党内融和を優先した野田内閣。財政や外交など山積する問題に対して、イデオロギーの違うメンバーで果たして連帯できるのでしょうか。

「小沢の時代」は終わったのに、どこまで媚びる?

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:南丘喜八郎/前田せいめい撮影南丘 喜八郎(みなみおか・きはちろう)氏
「月刊日本」主幹(撮影:前田せいめい、以下同)

南丘 少子高齢化と人口減少、さらに産業・経済の構造変化に直面している日本は、国としての力がじわじわ低下しています。

 しかも被災地では、なお多くの方が苦痛を強いられている。だからこそ、今政治に求められるのは、我が国の窮状にどう対処するかという力強いメッセージです。

 しかし、野田新内閣の顔ぶれから察するに、彼らが見ているのは日本国でも国民でもありません。自分たちの党の中、もっと言えば小沢一郎の顔色ばかりをうかがっている。

 いい例が、幹事長に輿石(東)さんを据えたことです。日教組を支持基盤とする彼は、コチコチの左翼のようでいて、小沢さんにことさら接近したりもする「柔軟な」人。野田(佳彦)さんは彼に頭を下げて幹事長就任をお願いしたのでしょうが、それは小沢さんへの配慮にほかなりません。

 そして国家公安委員長に就任した山岡(賢次)さん。彼はだれが見ても小沢さんの一の子分、言うなれば腰巾着みたいなもんです。こういう人事をやったらダメなんですよ。

 これは報道されていませんが、海江田(万里)さんが代表選のときに演説した内容を書いたのは小沢さんの側近です。しかも演説の前、海江田さんは彼らの前でそれを読まされ、事細かな指示を受けたといいます。要するに単なる傀儡なんです。

 その海江田さんは結局、負けた。これはすなわち小沢さんの敗北です。思えば彼はここのところずっと負け続けています。彼の時代はとうに終わっているんですから、「小沢幻想」はもう捨てるべきです。