12日の米株式市場で、ニューヨークダウ工業株30種平均は3日続落。下げ幅は前日比▲411.30ドルと大きく、終値は8282.66ドル。10月27日に記録した終値ベースの直近安値8175.77ドルを割り込むのは時間の問題という様相になった。

 ナスダック総合指数の終値は1499.21(前日比▲81.69ポイント)で、2003年5月以来の1500割れとなった。株安と連動して、外為市場では円高が進行。ドル/円相場は一時94.48円、ユーロ/円相場は一時118.10円まで、円高方向に大きく動いた。株安・円高の「ツナミ」が、もう一度押し寄せてきている感が強い。

 この日は、米消費関連企業の業績見通し下方修正が相次いでいるため米景気・企業業績についての悲観ムードが一段と強まったことに加えて、ポールソン米財務長官が記者会見で、金融安定化法を用いた不良資産買い取りという立法当初の政策目的を断念し、代わりにノンバンクにも資本注入していく方針に転換したことで、信用不安対策の迷走ぶりが改めて浮き彫りになり、市場のムードを悪くした。

 筆者が独自にチェックしている、ニューヨークダウの前日比200ドル超の騰落日数カウントは、9月、10月連続で大幅な「負け越し」。11月第1週は連日振れの大きな値動きの中で「2勝2敗」となっていたが、12日の急落で、「黒星先行」となった。NYダウは直近安値を近く割り込んでいくものと予想している。

 

 

 筆者は国内の株価についても、引き続き弱気で見ている。そのことは、基本に立ち返って、株価のベクトルを規定する企業収益見通しの修正方向をチェックすることによっても、確認される。日経平均株価は近く、8000円を割り込んで、7000円に再度近付いていくだろう。