今、最も勢いのある携帯電話メーカーは、「アイフォーン(iPhone)」擁する米アップルではなく、先頃米グーグルが買収すると発表した米モトローラ・モビリティでもない。残念ながら日本のメーカーでもない。韓国のサムスン電子だ。

 米国の市場調査会社コムスコアが行ったアンケート調査によると、この5~7月の同国におけるサムスン製携帯電話の所有率は25.5%で首位。この後、韓国LGエレクトロニクス、モトローラ、アップル、カナダRIM(リサーチ・イン・モーション)と続いているが、このうち3カ月前からシェアが伸びているのはサムスンとアップルのみとなっている。

スマートフォンの旗艦モデルを秋に発売

 サムスンには自社開発のモバイル基本ソフト(OS)があるが、グーグルのOS「アンドロイド(Android)」搭載端末を積極的に市場投入し、瞬く間にトッププレーヤーになった。コムスコアの調査でも毎回、首位の座を維持しており、その地位は盤石と言ってよい。

サムスン電子、スマートフォン「Galaxy S」を発表 今月発売

サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーS」〔AFPBB News

 そのサムスンが米国でいよいよ、“アイフォーンキラー”とも言われるスマートフォンの旗艦モデル「ギャラクシー(Galaxy)S II」を発売すると発表して、今、話題なっている。

 このモデルは今年4月に市場投入され、今は韓国、欧州、日本などで販売されている。7月末時点で販売台数が500万台を突破し、前モデルの「ギャラクシーS」を上回るペースで売れている。

 ギャラクシーS IIは、米国の携帯電話サービス第2位のAT&T、第3位のスプリント・ネクステル、4位のT-モバイルUSAに対応した機種がこの秋に発売される。ちなみにAT&TはT-モバイルUSAを買収すると発表しており、今後規制当局の承認が得られれば、同社は米国第1位の携帯通信キャリアになる。

 米国という巨大市場で大手通信キャリアを介し、同社史上最も速いペースで売れているモデルを投入するということで、今後の市場動向に注目が集まっている。

 またサムスンはこれに先立つ8月24日に、ギャラクシーシリーズの廉価モデルを発表している。エントリーモデルから高機能モデルまで幅広い商品を揃え、顧客のニーズをくまなく取り込みたい考えだ。