東日本大震災、被災地でのアスベスト被害に懸念

仙台市の海岸付近で瓦礫を撤去する自衛隊員〔AFPBB News〕

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2 制度概要

(1)即自 

 即応予備自衛官制度は、防衛大綱に示された新たな体制の一翼を担うものとして、平時における効率的な部隊の保持や事態の推移に円滑に対応し得る弾力性を確保することを考慮し、陸上自衛隊に導入された。

 即応予備自衛官には、第一線部隊の一員として運用し得るよう従来からの予備自衛官よりも高い練度と即応性が必要とされる。

 非常勤の特別職国家公務員として、普段はそれぞれの職業に従事しながら、訓練招集命令により出頭し、即応予備自衛官として必要とされる知識・技能について復習を行い、練度の維持を図る等のため、年間30日間の訓練に応じる義務がある。

 大規模な災害等が発生し、現職自衛官により構成される部隊だけでは対応が不十分な場合には、災害派遣等に派遣され、部隊の一員として活動することとなる。

 即応予備自衛官を雇用している企業の協力にできる限り報いるため、申請により、雇用企業に給付金を支給することとされている。(支給要件等省略)

 2010年3月現在で、即応予備自衛官の員数は全国で約8500人である。

(2)予備自 

 予備自衛官は、非常勤の特別職国家公務員として、普段はそれぞれの職業に従事しながら、訓練招集命令により出頭し、予備自衛官として必要な知識・技能を維持するため年間5日間(自衛官退職後1年未満に出身自衛隊に採用された者の初年度は1日間)の訓練に応じる義務がある。

 防衛招集時には、予備自衛官から自衛官となって、後方地域の警備や後方支援等の任務にあたる。

 大規模な災害発生時においても大臣が特に必要と認める場合には、災害派遣に応じることとなる。また、国民保護等招集により出動し、国民保護の任務に就くこととなる。

 陸・海・空自衛隊に導入されている。

(3)両制度の比較

 両者の差異は下表の通りである。

区分 即応予備自衛官 予備自衛官
発足年度 1997年度 陸:1954年度
海:1970年度
空:1986年度
任務と役割 第一線部隊としての任務 駐屯地警備、後方地域の任務
招集に応ずる義務等 防衛、治安、災害派遣、国民保護等派遣、訓練 防衛、災害派遣、国民保護等派遣、訓練
任用期間 3年1任期 3年1任期
訓練日数 年間30日 年間5日
採用対象 自衛官として1年以上の勤務者であり、退官後1年未満の者若しくは予備自衛官 ・自衛官として1年以上の勤務者
・予備自衛官補の訓練を修了した者
処遇等 即自手当:1万6000円/月
訓練招集手当:
1万4200~1万400円/日
勤続奨励金:1任期 12万円
勤続年数や勤務成績により
昇進・表彰
予備自手当:4000円/月
訓練招集手当:8000円/日
勤続年数や勤務成績により昇進・表彰