8日のロンドン市場は、欧州株が大幅安となり、ユーロ売りが主導する展開となっている。アジア株が大幅安となるなかで、欧州株の動向が注目された。序盤は、ECBがイタリア債とスペイン債を市場で買い支えている、との報道に下げて始まった欧州株が上げに転じる場面もあった。ユーロが買われてユーロドルは一時1.44近辺へと上昇、ユーロ円も112円台乗せまであった。リスク回避色がやや後退したことで、スイスフランが売られる動きもみられた。しかし、次第に欧州株は上げ幅を失って、再び下げに転じると下げ幅を拡大。独DAX指数は2%超、英FT指数も1%台後半の下落率となっている。市場にはECBの対応は欧州債務問題の根本的な解決とはならない、との冷めた見方がひろがっている。東京・アジア市場から引き続き米債格下げの影響を懸念するムードもあった。この日は主要な経済指標発表の予定はなく、ソブリンリスクへの懸念が相場のテーマとしてクローズアップされている。ユーロドルは1.42台前半、ユーロ円は110円台半ばへと下押ししている。ポンドも追随して売られ、ポンドドルは1.63台後半、ポンド円は127円台前半へと水準を下げた。

◆ドル円 77円台後半の円高水準
五十嵐副財務大臣は、G7は経済の大枠が崩れるときには協調して行動、と述べている。また、市場をかく乱するような極端な投機の動きは是正、目標値を設定した介入はしない、今回のG7声明は具体的内容に踏み込んでいない、ドルや米国債の信認の低下による市場混乱回避が目的、と述べている。

市場には日銀の為替介入への警戒感もあるが、ドル円は株安にともなって77.50台まで軟化する場面もあった。その後も77円台後半の円高・ドル安水準で推移しており、全般にリスク回避ムードが継続していた。米債利回りが低下していることもドル円の上値を限定している。また、8月4日の為替介入額が推定4兆円超と大規模だったにもかかわらず、その後の円高方向への値動きを見る限り、単独介入の効果には限界がありそうだ。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)