「ブラックベリー(BlackBerry)」ブランドのスマートフォンで知られるカナダのRIM(リサーチ・イン・モーション)がリストラ策を発表した。世界規模で全従業員の10%を削減するというもので、同社がこれほどまで大規模な人員削減を行うのは初めてとなる。
ブラックベリーは北米のビジネスパーソンを中心に普及し、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」や米グーグルの「アンドロイド(Android)」搭載端末が登場する以前に市場で圧倒的な人気を誇っていた。
しかし2007年にアイフォーンが市場投入されてから、徐々にシェアを奪われ、米調査会社ガートナーの最新のリポートによれば、1年前に北米市場で40%以上あった同社端末のシェアは約17%へと激減した。
こうした現象は携帯電話大手のフィンランド・ノキアにも起きているが、RIMの場合は会社の規模がノキアよりも小さく、スマートフォンに特化したメーカーであることから、影響ははるかに大きいと言われている。
シェアが低下する中、従業員数は3倍に
RIMの現在の従業員数は約1万9000人。2007年には6000人程度だったが、ここ5年間で3倍以上に増えている。今回同社はこのうち2000人を削減し、コスト構造を見直す。
先の決算発表時に同社は今年度の業績予想を下方修正していたが、今回のリストラの規模はこの業績見通しに沿ったものだと説明している。
RIMは併せて、経営幹部の異動についても明らかにした。同社には最高執行責任者(COO)が3人いるが、そのうちブラックベリーを担当するドン・モリソン氏という人物が6月半ばから病気療養のため休職していた。
今回の人事では、同氏が退社することになり、今後は残り2人のCOOがモリソン氏の役職を兼務する。また新たに国際販売と地域マーケティング責任者の人事異動も行う。