マット安川 今回のゲスト・横浜港運協会の藤木幸夫会長によると、外国の港からは日本政府の承認が軽視されているそうです。この国は諸外国にまったく信用されていない・・・現場で感じる祖国の危機、危機を招いた背景などを語っていただきました。
活力を失った国、日本。国民は怒りを態度に表せ
横浜港運協会会長、藤木企業株式会社代表取締役会長。 実業家として港湾産業の近代化に取り組み、また長く日本の港湾行政に携わる。(撮影:前田せいめい、以下同)
藤木 いまの日本は国自体にエネルギーがありません。チュニジアやエジプト、リビアなど、いい悪いは別にして、青年たちが政府に対して石を投げた。ああいうエネルギーが日本にはない。
政治家に何かを求めても無理です。いまの政治家は選挙に勝つことだけが目的の選挙屋ですから。国民は何らかの態度に表さなければいけない。デモをするなど、エネルギーの発揮の仕方はいろいろあります。
日本がエネルギーを失ったことについては、我々にも責任があると思っています。戦後、アメリカが持ち込んだ憲法や労働三法などさまざまな法律は、日本を壊すためのものでした。それが長い時間をかけて日本をダメにしてしまった。
1955年以降の日本は立派でした。イケイケドンドン、生産につぐ生産で、みんな貧しいながらも未来があった。その頃の精神を失くしてしまった。
文明と文化は反比例すると言いますが、本当です。豊かになる努力はよかったけれども、文明がどんどん進んだ半面、日本独自の文化が失われてしまいました。
戦後教育を反省。戦争のためではない独自の徴兵制度を設けるべし
教育の面にも反省点があります。戦争が終わって60年経ちますが、この間ずっと同じことをし続けてきたのがいけなかった。
例えば私が小学生や中学生の時には、「権利」という言葉は教わりませんでした。「義務」だけです。ところが、戦争が終わり「権利」ばかりを言いだすようになった。「義務」はどこかへ行ってしまった。