27日のNY市場は市場全体のリスク回避の雰囲気が一服しており、ユーロ中心に資源国通貨など買戻しが強まっている。きょうからギリシャ議会が緊縮財政計画の審議に入っているが、法案が通過するとの楽観的な見通しが出ていたようだ。NY株式市場も買い戻しが強まる中、ユーロドルは1.42台後半に戻している。
緊縮財政計画の議会審議については、パパンドレウ内閣が信任されたことで、通過の可能性は高いとも見られていた。今週に入って、より期待を高めて来ているのかもしれない。
しかし、一方でギリシャ債のロールオーバー、そしてデフォルトか否かの問題が更に残る。一部報道によるとロールオーバーに関して、フランスは特別目的事業体(SPV)が新たに発行される国債を引き受け、銀行のバランスシートから切り離す案を次回のEUの会議で提示するという。2011年から2014年までに償還を迎えるギリシャ国債が対象。銀行だけでなく保険会社や投資会社にも拡大される可能性があるようだ。ただ、SPVに公的な保証はないとしている。
いずれにしろ、まだまだ不透明感は根強く、自律反発の域は出ない。
ドル円も堅調に推移していた。相対的にドル売りではあったものの、円安の動きが勝っていたようだ。米国債利回りが上昇していたこともフォローとなっている。ただ、力強さには欠ける。6/15の高値81.05付近に接近しているが、81円台での抵抗感はまだありそうだ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)