「Dell Customer Dinner Event」というセミナーの招待状が届き、参加してきた。テーマは「ビジネス成長へのネクストステップ」だという。主催はデルとマイクロソフトで、会場はザ・リッツ・カールトン東京である。

 デルの日本法人が日本で創業したのは1989年である。IBMはじめ、海外、国産のハードウエアメーカーがひしめいていた。その後、私は外資系情報産業研究会(通称「FIIF」)でデルの吹野博志会長と知り合った。

 その会合でお会いするだけでなく、ゴルフや食事、飲み会などにも誘っていただき、親交を深めることができた。

 デルは独自のビジネスモデル「デルダイレクト」(在庫を持たずに受注生産し、安価に商品を提供する)や、個人顧客にもカスタムメイドで個別生産に応じるなど、キメの細かいサービスを展開した。

 銀座で飲みながら、デル構想をよく聞かされた。吹野氏が会うたびにいつも豪語していたのが、「デルが売るのはパソコンやサーバーだけ。ハードウエア以外のビジネスには参戦しない」「デルのハードは絶対に勝ち残る。ハードではIBMも勝てない会社になる」ということであった。

 「これからのパソコンは、黒色ばかりになるだろう」という話もしていた。当時のパソコンは、ほとんどがクリーム色だった。今では吹野氏の言うとおり黒色の割合が高い。

 「デルのパソコンは、どこの生産拠点の、どの工場の、誰が、いつ作ったのかが分かるようになっている。不良品が出ない最新の体制を整えている」という話も新鮮だった。まるで「買うならデルのハードしかない」という気にさせられる見事なセールストークであった。

 吹野氏との個人的なつながりもあり、当社で顧客に提案するサーバーはすべてデル製品であった。いつの間にか、年間数千万を購入する「優良顧客」になっていたのである。

デルのハードとマイクロソフト製品をセットで提案

 さて、セミナー「Dell Customer Dinner Event」では、今回の震災を受けて「事業継続計画=BCP」や「災害復旧対策=DR」「事業継続管理=BCM」などの重要性をまず説明した。

 事業を継続させる際のリスクを低減させること、リスクが発生した時に迅速に復旧させられる計画を立案すること、ビジネスに与える影響を最小限に抑えることなどが重要だという話である。

 そのためには、システムとデータの可用性、運用管理性を確保し、短時間でデータを復旧させなければならない。そして、マイクロソフトの復旧ソフトの紹介に入る、という流れであった。