トランプ米大統領のTwitterプロフィールとTikTokのロゴ(写真:Abaca/アフロ)

 動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を巡り、親会社の中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)と米ソフトウエア大手のオラクルが交渉している件で、トランプ米大統領が「合意間近と聞いている」と述べたと、ロイターや米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが9月15日に報じた。

TikTokグローバル事業の本社を米国に設置

 大統領はオラクル創業者のラリー・エリソン会長について「非常に尊敬している」とも述べ、米政府が両社の提携案を承認するか、近く判断を下すと語ったという。

 これまでに報じられた両社の提携案は次のようなものだ。

 オラクルがバイトダンスの「技術パートナー」として、ティックトック米事業の利用者データを管理し、大統領が問題視している国家安全保障の懸念を払拭する。

 また、英フィナンシャル・タイムズの9月15日の報道によると、バイトダンスはティックトックの世界事業を統括する本社を米国に設置し、オラクルが少数株主として出資する。

 これにより、米国で約2万人の雇用創出を見込む。一方で、バイトダンスはティックトックのグローバル事業への過半出資を維持する。中国当局もこの案を支持しているという。

 提案は、国家安全保障への影響を検討する対米外国投資委員会(CFIUS)が審査する。CFIUSは米財務省や米国防総省、米商務省、米国務省などの9機関の当局者が委員を務めており、委員長は財務長官。ロイターによると、ムニューシン財務長官とロス商務長官が9月15日にホワイトハウスでこの案を検討したという。

 ただ、トランプ氏が承認するかどうかは今のところ分からないとロイターは伝えている。もし認めれば、これまでの方針を180度転換することになるからだ。