長春の街はだだっ広いが、碁盤の目のように規則正しく区画されている個所が多いので、地図を携帯すればさほど迷うことはないと思う。市内を巡回する市バスには番号が表示されており、また停留所の案内板には漢字表記でバス停の名前が記されているので、漢字が読める日本人にはとても利用しやすい。私は康徳8年発行の「最新地番入り新京市街地図」を入手して現在の長春の地図と比較しながら、満洲国期に建設された建築物を探して歩いた。「康徳」は満洲国が帝政に移行した1934年(昭和9年)を元年とする元号で、康徳8年は1941年(昭和16年)。写真は取材の途中に偶然見つけたマンホールの蓋。「新京」という文字がはっきり刻まれている。「下」は下水を意味する。
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