6月1日の東京市場はドルが軟調な展開。昨晩の米経済指標が軒並み予想を下回ったことからドルは売られやすく、ユーロドルは1.4444近辺と先月6日以来の水準まで上昇した。ドル円は81.50台から81.10台にじりじり値を落としていった。豪ドル/ドルが経済指標を受けて急伸したこともドル安の一因。ただ豪ドルペアを除くと全般的に月初ということで様子見ムードが広がり取引は手控えられた。クロス円のレンジは大方50銭程度に留まっている。
10:00に発表された中国5月の製造業PMIは前回よりは弱かったものの予想を上回り、また2009年3月から27ヶ月連続で50を上回ったことが好感され、中国との貿易関係が深いことから豪ドルに買いが入った。続く10:30には豪州第1四半期GDPが発表され前期比1.2%減と1991年第1四半期以来20年ぶりの落ち込み水準となった(予想は1.1%減)。ただ、市場ではより悪い内容を見込んでいた向きもあり発表直後から豪ドルは買われた。豪ドル/ドルは豪指標前の1.0670台から1.0740台に、豪ドル円は86.80台から87.30台にそれぞれ上値を伸ばしている。GDPの内訳で国内需要が1.3%増と2009年第4四半期以来の水準となり、内需が膨らんだことも買われた一因という。豪ドル/NZドルは昨日大きく売られたが本日は下げ分を取り消し1.29台前半から1.30台後半に反発した。
Klugアナリスト 鈴木信秀