3月21日に春爛漫の初午祭

 お参りを終えたら、いよいよ参道グルメ巡りだ。昭和レトロな雰囲気の魅力的な店がいくつもあって迷うところだが、空腹なら、まず名物の川魚料理を食べてみたい。うなぎはもちろんのこと、もろこなど、珍しい魚もある。中でも一度は試してみたいのはナマズのかば焼きである。食べたことがない人も多いだろうが、インパクトがある外観に反して肉質は白身であっさりとし、意外に美味しいものである。ナマズ料理がある店は巨大なナマズの看板が出ているのですぐわかる。

 もうひとつの外せない名物は串カツである。一本単位で買えるので、ランチを食べたばかりでも、軽いおやつ感覚でイケる。店の中でゆっくり食べることもできるし、店先で立ち食いやテイクアウトもできる。立ち食いがもっともおちょぼさんらしいが、その場合は、以下のローカルルールを心得ておこう。

①積んである串カツを自分で取る。揚げたては熱いのでやけどに注意。
②ソースか味噌ダレを自分でつける。もちろん二度漬けは厳禁。
③串は捨てない。食べた本数を数えて支払う。
④キャベツが置いてあれば、それは自由に食べてよい。

 串カツの店は20軒ほどあり、食べ比べも楽しい。一番人気は黄金の服を着た社長さんの看板が目印の玉家。まれに実際の金ピカ社長に会えることもあるという。

どて串 写真/3Pac / PIXTA(ピクスタ)

 最後にひとつ、耳よりな情報をお伝えておこう。実は、今月この神社で大きな祭がある。全国の稲荷神社で2月の初午の日に行われる初午祭だ。稲荷信仰発祥の地である京都の伏見稲荷に、和銅4年(711年)の2月の初午の日に稲荷大神が降臨したと伝わっており、初午祭は、その日を祝うため、そして毎年の豊作を祈るための祭として広まったという。一般的には今年の初午祭は2月1日だったのだが、千代保稲荷では旧暦を使うため、2026年は3月21日に開催されるのだ。

 まずは平和祈念館という建物内で諸悪を祓う鎮魂の儀を行い、拝殿で五穀豊穣、商売繁盛、家内安全などを祈念する。その後、春爛漫の境内に響き渡る祭囃子に合わせて、実物大の張り子の馬が行列する。昔も今も変わらない神様と農村の人々とのあたたかな交流がそこにある。