
中国が日本の土地を買うのもそうだし、ロシアのイワノフ副首相が閣僚を5人も連れて北方領土の択捉島と国後島に上陸しました。また、韓国も竹島に総合海洋科学基地の建設を計画しているし、韓国の国会議員が北方領土に視察に行くという報道がありました(24日に国後島を視察)。
日中韓の首脳会談を行い、両国に協力してもらうのはありがたいですけれど、日本政府はきちんと国益を守るという姿勢を示す必要がある。
ところが、菅(直人)総理をはじめ仙谷(由人)官房副長官や松本外務大臣、北澤(俊美)防衛大臣は、日本の大臣なのか中国や韓国の大臣なのか分からないようなことを平気でおっしゃっている。
このまま火事場泥棒のようなことを平気で許していては、気がついた時には震災どころの騒ぎではなくて、日本という国全体が日本人のものでなくなってしまう危険性もあります。
TPPというどこに向かうか分からないバスに乗ってはいけない
TPP(環太平洋経済連携協定)について、菅政権は震災の影響でそれどころではないと言っていますが、これは真っ赤なウソ、情報操作です。
アメリカからは震災復興のためにTPPをやらなければダメだとせっつかれていますから、菅政権は早く国会を閉じて、国会で審議できない状況の下でこれを進めてしまおうとしているんです。
TPPというと、農業分野と自動車や家電などの輸出産業とがガチンコでやり合っているというような印象を持っている人が多い。農産物の関税をゼロにすると日本の農業はひとたまりもないから農業関係者はTPPに反対し、逆に自動車や家電は国際競争力が有利になるから進めてほしいと。
けれども、実はTPPには24の部会があり、農業や輸出産業はそれぞれ24分の1にすぎません。TPPの大部分はサービス産業です。
例えばテレビやラジオといった通信、教育、医療、福祉、建設の入札制度、会計基準など、ありとあらゆる仕組みをアメリカのスタンダードに変えさせようというアメリカの意図があるわけです。そうしたTPPの中身をしっかり議論しないと、大変なことになりかねない。
ところが、国会でも十分に議論していません。これは大問題です。私は何度も菅総理に質問状を出したり、委員会で質問をしていますが、答えはいつも同じです。
日本はTPPの交渉に参加していないのでどんな中身か分かりません、だから早く交渉に参加しなければ手遅れになります、バスに乗り遅れては困るでしょ? という言い方です。
しかし、どこに行くかも分からない、運転手が誰かも分からない、そもそも動くかどうかさえ分からないバスですよ。そんなバスに乗れと言う方がおかしいんです。
「マット安川のずばり勝負」5月20日放送

マット安川(本名:安川昌之)
(株)オフィスヤスカワ代表取締役。1973年1月10日生、神奈川県出身。O型。大学在学中から30種以上の仕事に携わり、のちに渡米。語学を学び、インターンシップ、のち現地法律事務所へ勤務、3年間マネジメントを担当する。帰国後、各界著名人のトレーナー兼マネジメントなどを手がけ、企業コンサルティング、事業マッチングのほか、TV・ラジオの番組DJ・企画制作など多方面に活躍中。