世界最高のロボット高密度国
韓国紙デスクは、「意外と知られていないが、韓国は世界最高のロボット高密度国で産業災害も少ない。労組が敏感なのはそういう事情もある」という。
国際ロボット連盟の発表によると、2023年時点での製造業における就業者1万人当たりのロボット稼働台数は韓国が1012台で、2位のシンガポール(770台)を引き離して圧倒的なトップだ。日本は419台で5位だった。
自動車や電子産業での導入が多いというが、中堅、中小規模の工場でも導入例が少なくなく、その分、産業災害も起きている。
韓国の雇用労働部によると、2011年から2020年までの10年間でロボット関連事故が355件起きた。また2020年から3年間で死亡事故も10件起きたという。
韓国ではここ数年、製造業の現場や、建設作業現場などでの産業災害が頻発し、大きな社会問題となっている。
ロボットと聞いて、AI、次世代産業などを連想する人もいれば、雇用、コストダウンと考える人もいる。また安全管理ができるのかを真っ先に思いつく人も少なくない。
企業価値は100兆ウォン超え?
生産現場と直結しない全く別の角度で注目する向きも、産業界や金融界にはある。
韓国のある財閥役員は「現代自動車だけでなくボストン・ダイナミクスの企業価値も急騰したようだ」と話す。
現代自動車の株価は年初来8割ほど急騰したが、その最大の牽引役はボストン・ダイナミクスだ。
このボストン・ダイナミクスは非公開企業だが、IPO(株式公開)したら大変な大型株公開になるとこの役員は読む。
同社の大株主は現代自動車(27%)、起亜(17%)、現代モービス(11%)、鄭義宣(チョン・ウィソン=1970年生)現代自動車グループ会長(22%)などだ。
韓国メディアは最近、このボストン・ダイナミクスの企業価値が100兆ウォンを超えたと報じている。現代自動車本体と同じ規模の企業価値があるというのだ。
もし、企業価値がいまのように高いままIPOに成功すれば、鄭義宣会長がグループ会社の株式を買い取り、現代自動車グループの長年の課題である「グループ循環出資問題」(複数の関連会社がお互いに出資し合い、少額でグループ全体を支配できてしまう問題)を解消できるとの見方も浮上している。
CESを機に突然盛り上がった韓国での人型ロボットブーム。
明るい未来の夢なのか、韓国の未来の有望産業なのか、深刻な「労ロ対立」や安全問題を引き起こすのか、はたまた証券市場に現れた新星なのかバブルなのか。
年明け早々、人型AIロボットは韓国での大きな話題を提供している。