自動車工場とロボットの歴史

 社会的な反応の広がりに現代自動車も当惑気味だ。

 ある幹部は「まだ先の話だし、あくまで構想段階なのに…」と「労ロ対立」の話が拡大することを警戒する。

 それにしても、アトラスはそんなに破壊力があるのか?

 あるロボットメーカー幹部に話を聞いてみた。

 その幹部によると、自動車の量産ラインにロボットを本格的に導入するようになったのは日本では石油危機で省エネ、省人化に関心が高まった1970年代前半だった。

 もう50年も前の話だ。それほど歴史は長い。

 1980年代に入ると日本は「ロボット大国」になった。いろいろな量産ラインでロボット化が進んだ。日産自動車の座間工場などは世界的にも有名だった。

 だから自動車量産ラインとロボットの関係は歴史が長い。特に、溶接や塗装ラインなど作業環境の厳しい職場ではロボット化がさらに進んだ。

 コスト削減にもなったのだろうが、「労ロ」対立というより、労働者の過酷な労働の軽減という意味合いもあったようだ。

 半世紀の歴史があるが、この幹部によると、「それでもまだロボット化が難しい工程もある。そこに人型ロボットの可能性はある」という。

 例えば、ケーブルやハーネスを車体に取り付ける工程などは「手先の器用な人間が手掛けた方がまだまだ効率的だが、逆に言えばロボット化の余地は大きい」と話す。

 この幹部は、アトラスのデモンストレーションを動画で何度も見たという。

「完成度が高まっていることは確かだ」と話した上で、次のように説明する。

「今の年間維持費が1400万ウォンだとの報道があった。実際に生産ラインに投入された時のロボットの維持費がいくらなのか関心はある」

「自動車量産ラインで導入が始まるのはまだ何年か先でその時の最先端企業、低コストロボットメーカーがどこかは全く分からない。特に中国企業の躍進はここでもすさまじい」