韓国の超イケメン芸能人「チャ・ウヌ」(2025年10月31日撮影、写真:YONHAP NEWS/アフロ)

一人法人を使った脱税に揺れる韓国芸能界

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 近年、韓国芸能界ではトップスターが独立して設立した「一人法人」に関する脱税問題が大きな議論となっている。

 発端となったのは、きわめて端麗な容姿から韓国では「顔天才(Face Genius)」とか「顔面国宝」などと呼ばれるアイドル兼俳優のチャ・ウヌの母親が運営している「一人法人」の個人事務所。

 この事務所がソウル地方国税庁調査4局から税務調査を受け、所得税などの脱税容疑で200億ウォン(約20億円)を超える追徴課税を通告されたと報道されたことだ。

 俳優のキム・ソンホにも脱税疑惑が浮上するなど、韓国の芸能界にはいま、税金をめぐるスキャンダルの嵐が吹き荒れている。

 しかも、芸能人をターゲットにした相次ぐ税務調査は、単なる芸能スキャンダルを超えて、制度的な問題点を浮き彫りにしている。

 韓国では、所得税の最高税率が45%に達する一方、法人税は最大でも約25%程度にとどまる。

 この税率差を利用して、芸能人が自分名義ではなく「一人法人」を設立して収入を処理するケースが増えているのだ。

 この仕組み自体は以前から合法的な「節税」手段として広く使われてきたが、実態のない会社(いわゆるペーパーカンパニー)を使って税率を不当に引き下げた場合、韓国国税庁はこれを「脱税」とみなしている。

 チャ・ウヌの事件で問題の中心は「会社としての実態があるのか」という点だ。

 チャ・ウヌの場合、アイドルとして所属事務所(ファンタジオ)があり、この事務所とチャ・ウヌの母親が設立した一人法人の間に実態のない契約(広告や協賛など)を締結し、チャ・ウヌの収益を分散させたと韓国国税庁はみているようだ。

 実際はファンタジオとチャ・ウヌとの契約だけれど、そこに母親の法人も加えて所得を分散させたというわけだ。