欧州の指導者が取るべき行動

 困惑するほど多岐にわたる大詰めの可能性に直面し、欧州の指導者はどうすべきなのか。

 最悪の結果を回避するために今すぐ押し返す必要があるというのが、その答えだ。

 欧州の指導者はこの1年、宥和とお世辞を試みた。それによって到達したのが今の事態だ。彼らは即座に方向転換する必要がある。

 EUのとって最悪の状況は昨年夏に訪れた。EUの指導者が報復もせずに、15%の米国の関税を唯々諾々と受け入れた時のことだ。

 当時合意されたEUと米国の貿易協定は今、欧州議会によって棚上げされた。批准されるのを想像するのは困難だ。少なくともトランプが脅した追加関税が撤回されるまでは無理だろう。

 欧州はその代わり、バーボンウイスキーやリーバイスのジーンズといったお決まりの標的の枠組みを越え、米国を狙った対抗関税を策定すべきだ。

 新しいターゲットにはトランプの世界の不可欠な一部になっている米国の大手テクノロジー企業と暗号資産(仮想資産)企業を含められるはずだ。

 英国は、トランプの新たなグリーンランド関税に脅かされている国の一つだ。英国はEUを離脱したため、貿易に関するEUの集団的対応には加わらない。

 だが、新たな関税が発動され、継続されることになれば、英首相のキア・スターマーは大胆な行動を取れる。EUの単一市場に復帰するのだ。

 激変した地政学的な環境にあって、英国の国民と欧州委員会はともに、過去の論争を脇へ置き、即座に力を合わせる時だと判断するかもしれない。