かれの言動を見ていると、人間に対しては絶望しかない、と、軽々しくいう自分自身がバカに思えてきたね。おまえなんかに、人間に絶望する資格なんかないよ、と。
杉良太郎は、デビュー前の15歳の頃から刑務所慰問を始め、それ以来、さまざまな献身的なボランティア活動を65年以上つづけているんだ。これまでに投じた私財は40億円以上だって。
かれは芸能人初の緑綬褒章や文化功労者を受賞しているが、そんなことはどうでもよさそうだ。自分のことなど、まったく勘定に入れていないと思うよ。
客:寄付といえば、世界ではビル・ゲイツが有名だな。
かれは今後20年間で2000億ドル、つまり約27兆円を支出し、2045年に活動を終了する予定だという。まあ桁がちがって、27兆って見当もつかんよ。
かれは、富裕層には社会に還元する責任があると考えているようだ。自分自身が活動しているかどうかは知らんが、杉がやっているのがボランティア活動なら、ビル・ゲイツは慈善事業かな。
けれど、二人を比べることもない。立派なことはおなじだ。
主人:杉良太郎は昨年10月に芸能活動60周年を記念して、『生涯献身』(徳間書店刊)というド直球の本を出版した。その出版記念の記者会見の席上で、かれはこのように語ったんだが、その言葉がまた印象深いんだ。
「お金がある人は寄付してほしいなと思います。お金がない人は時間を寄付してほしいです。お金も時間ない人は、こういう活動を理解してほしいです。メディアから『売名ですか』と言われたりもしましたが、そういう時は『はい。売名です』と返してきました。反論する時間がないので」