「トランプのように?」強権イメージが生む反発と熱狂の内実

 就任前から高市首相は師と仰ぐ安倍元首相の路線や手法を模倣してきた。第2次安倍政権でも2014年に不意打ち解散が行われた。2017年は臨時国会の冒頭解散だった。

2017年9月25日、衆院解散を表明する安倍晋三首相(写真:共同通信社)

 安倍氏が自ら「国難突破解散」と名付け、少子化対策や北朝鮮の脅威を大義にしたが、森友・加計問題の追及逃れが実態だ。不意打ちだけでなく、国会での追及逃れも安倍氏の模倣なのである。

 だが、「違いますよ。安倍政権では2カ月前から解散の可能性が知らされ、準備を進めることができました」と選挙に精通する自民党関係者は吐露する。

 唯我独尊の高市首相。高支持率をバックに全能感に浸っているのか。身内の自民党執行部さえ欺いて独裁者になろうとしているのか。安倍氏の模倣だけでなく、トランプ大統領のようになりたいのか。

 自民党が独自で行った情勢調査で260議席という数字が独り歩きしているが、高市首相が狙っているのは単独過半数(233議席)を大きく上回る圧倒的な強さを見せて勝利することだ。「サナ活」ブームを引っ張って、選挙期間中に熱狂を生むのかどうか。

 しかし、自民党の政党支持率は石破政権時代と比べ横ばいか微増で、高い内閣支持率とは大きなギャップがある。高市人気とはいえ、自民党に票が大きく上積みされるのだろうか。

 高市ブーム、自民への低い支持、立公の新党と政界再編……。変数が多すぎて、現時点では正直、予想が立てられないが、野党を蹴散らそうとして奇襲攻撃をかけた高市首相の思惑通りにはならない可能性もある。

首相官邸に入る高市早苗首相(2026年1月16日、写真:共同通信社)