最大42議席が入れ替わる?公明票シミュレーションと「中道」軸の政界再編

 すでに前回2024年総選挙の結果を基にしたさまざまなシミュレーションが報じられている。

 時事通信によれば、公明票は各選挙区で1万~2万票とされ、公明支持層の1万票が自民候補から次点だった立憲候補に流れたと仮定すると、35選挙区で当落が入れ替わる。自民97議席、立憲139議席となり、小選挙区の勝敗が逆転する結果になったという。

 毎日新聞の同様の試算では最大42議席の当落が変わる。また、各選挙区で公明が獲得した比例票を基に試算したケースでは、自民86議席減という衝撃データも永田町に出回っている。

 新党が目指す方向性は「生活者ファーストの視点」で、さらなる結集のため、立憲と公明だけでなく、自民や国民民主党など他党の議員にも呼びかけるという。

「自民党の中にも中道路線の議員はいる。日本の政界を『タカ派』『ハト派』『革新』みたいな感じで、右・中・左の3つに再編できたらいいんじゃないか」と、ある公明党関係者は話す。

 新党結成は、直接的には、党勢低迷の2党が目前に迫る総選挙に慌てて、討ち死に覚悟の捨て身の戦略に出たようにしか見えないが、中長期的には、これが起爆剤となってドラスチックな政界再編につながる可能性がある。

 日本維新の会と連立を組んだ高市政権は、かつての自公政権から大きく右寄りにシフトした。自維の連立合意文書には「9条改憲」「スパイ防止法の制定」「国家情報局創設」「防衛装備移転の『5類型』撤廃」「安保3文書の前倒し改定」などタカ派政策が満載だ。

高市早苗首相と会談後、記者団の取材に応じる日本維新の会の吉村洋文代表(2026年1月14日、写真:共同通信社)

 これに対し、立公の一致する具体的な政策には、非核三原則の堅持、選択的夫婦別姓制度の導入、企業団体献金の規制強化などがある。いまだ派閥裏金事件の全容解明をせず「政治とカネ」問題がくすぶる自民と、所属議員に国民健康保険料の支払い逃れという「脱法行為」が発覚した維新。カネに汚い政権与党との対立軸になるだろう。

 ただ、一般には「中道」という概念は分かりにくい。野田氏と斉藤氏は記者会見やテレビ出演時に「中道」について、

「国家やイデオロギーよりも、人権や平和や福祉、個人の尊厳を大事にする」
「対立点を踏まえて丁寧な議論で合意形成」
「力強い経済より、一人一人の生活に重点を置く」

 などと説明していた。経済政策では両党が昨夏の参院選公約で打ち出した「消費税減税」を柱に盛り込むとみられる。

 国家主義の高市政権に対し、生活者ファーストの新党。選挙における明確な争点にはなるが、投票日まで3週間だ。新党名もそうだが、どこまでそうした理念や政策が浸透するだろうか。特に無党派層を共感させられるかが焦点だ。