(写真:共同通信社)
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 どうもすっきりしない。夏の甲子園、全国高校野球選手権大会で、1回戦を勝ち進んだにもかかわらず、2回戦から出場辞退に陥った広島県代表の広陵高校の顛末だ。

被害生徒側は学校が確認した事実関係に異議

 発端は、広陵高校野球部で今年1月に暴力行為があったという、被害者の保護者とみられる7月下旬からのSNSへの投稿だった。その内容が具体的で衝撃的でもあったことが影響したのか、真贋はともかく、8月5日の大会開幕が近づくにつれ、情報がSNS上で拡散していく。

 すると5日から6日にかけて、日本高等学校野球連盟と広陵高校が、この事案をそれぞれ認めたことから、また事情が変わってくる。批難が殺到し、SNSは炎上状態に。

 報道によると、1月22日、当時の1年生部員が禁止されているカップラーメンを寮で食べたとして、上級生の複数人から胸部や腹部への殴打、頬への平手打ちなどの身体的暴力を受けた。学校側の事実確認に、2年生4人が事実を認めた。

 学校は内部調査を行い、2月には広島県高野連を通じて日本高野連に報告。3月に日本高野連は「厳重注意」とし、暴行を認めた4人には1カ月間の公式戦出場停止を指導した。厳重注意は原則公表しないことになっている。

 被害を受けた生徒は3月末に転校。だが、保護者は「学校が確認した事実関係に誤りがある」として、5月まで協議を続けたとされる。7月には警察に被害届を出したという。

 確かに、学校側とSNSでの主張には食い違いがある。