トランプの脅しは交渉戦術なのか

 もう一つの主張は、トランプの冗談は単なる交渉戦術だというものだ。

 支持者らは時折、トランプはただ単に、西側同盟の大義のために必要なことをやるよう同盟国に圧力をかけているだけだと主張する。

 それに結局、5万5000人のグリーンランド住民の多くはデンマークからの独立を求めているのではないかとトランプの支持者らは言う。

 カナダ人は国を運営している無能な「ウォーク(意識高い系)」のエリートにうんざりしているのではないか、と。

 だが、これらは説得力を欠く主張だ。

 トランプが米国人になった方が暮らし向きは良くなるかもしれないとグリーンランド人を説得しようとすることは正当だ。

 だが、軍事的、経済的な威嚇を使うと脅すことは言語道断だ。

 多くのカナダ人は米国に加わりたがっているというトランプの主張も妄想だ。

 最近の世論調査では、米国の51番目の州になるとの考えがカナダ人の82%に拒否された。