人間の知能とAIの勝負?
最近のマスク氏は、ゲイツ氏の話を聞くよりも同氏について悪意のあるコメントを投稿する方を好んでいる。
だがそれでも、ゲイツ氏が痛い思いをして学んだ教訓について考えてもいいかもしれない。
ある分野で最も優秀な人物が別の分野でも常に最も優れたアイデアを出してくれるとは限らない、という教訓のことだ。
官僚制に削除すべき無駄が大量にあることは間違いない。
だが、政府の支出を取り巻く公益、競合する問題、相反する利益などをすべて理解するには、異なるタイプの知的能力の持ち主が数多く必要になる。
それに、テクノロジー業界の億万長者たちが、いつの日か人間を凌駕するかもしれない人工知能(AI)の開発に取り組んでいる一方で優秀な人間の知的能力を自慢げに語るというのは、ある種の皮肉でもある。
グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏はマスク氏に、テクノロジーの進歩に直面しても人間の知的能力の持ち主を粘り強く擁護する「人間優位主義者」というレッテルを貼っている。
当然ながら、マスク氏も解決策の開発に取り組んでいる。
同氏傘下のニューラリンクが開発する電子頭脳インプラントを使って人間の知的能力と機械の知的能力を統合し、人間の生物学的ウエットウエア(脳のこと)をアップグレードしようと計画しているのだ。
そんなことを企てているのかとぞっとする読者も多いだろうが、この計画はまた別の意味で、人間のIQに代替性があるかどうかを知る究極のテストになるかもしれない。