米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)がAI(人工知能)検索スタートアップの米パープレキシティ(Perplexity)に記事コンテンツの使用停止を求める通知書を送ったことが分かった。米誌フォーブスや米出版大手コンデナストもパープレキシティがコンテンツを無断使用し、AI検索結果を生成していると非難しており、NYTもこの動きに加わった。
NYT「ジャーナリズムの無断使用で不当な利益」
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)や英ロイター通信などが報じた。
それによると、NYTは法務事務所を通じて送った通知書で、「パープレキシティがNYTのコンテンツを利用して要約などの成果物を作成している行為は、著作権法に基づくNYTの権利を侵害している」と非難した。コンテンツへのアクセス及び利用を停止するよう求めている。
NYTは「パープレキシティとその“ビジネスパートナー”は、NYTの表現豊かな、慎重に執筆、調査、編集されたジャーナリズムを無断使用し、不当に利益を得ている」とも述べた。
パープレキシティ「誰かの敵対者になるつもりは全くない」
パープレキシティは、米オープンAIの技術者だったアラビンド・スリニバス氏らが2022年に設立した企業である。米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏や米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)などが出資している。前述にあった「ビジネスパートナー」とは、これら出資者をに言及したと考えられる。
パープレキシティのサービスでは、利用者がウェブサイトの検索ボックスに質問や単語を入力すると、AIが生成した要約とともに、複数の情報源とそれらのリンクも表示する。
同社CEO(最高経営責任者)のスリニバス氏は今回の書簡を受けて、「NYTのクローリング阻止の取り組みを無視しているわけではない」と述べた。NYTによる法的措置期限までに、問題に対処するという。同氏は「NYTを含む、全てのメディア企業と協力することに非常に強い関心を持っており、我々は誰かの敵対者になるつもりは全くない」と強調した。