(写真:ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが、電子商取引(EC)事業におけるAI(人工知能)の活用を加速している。既に消費者向けの買物支援や、出品者向けの販売促進にAIサービスを導入していたが、このほど出品者向けの販売・在庫管理やアカウントに関する問題解決を支援するAIアシスタントを導入した(アマゾンの発表資料)。

AI活用の出品者向け業務効率化サービス

 この出品者向けAIアシスタントは「Amelia(アメリア)」と呼ばれるチャットボット(自動対話システム)だ。まず、一部の米国出品者に提供し、年内に広範囲に展開する予定だ。同社は、このツールを生成AIを活用した「オールインワンの販売エキスパート」と説明している。

 具体的には、販売管理や在庫管理、商品広告などを支援するほか、在庫不足による出荷遅延などの出品者の問題を解決する。米CNBCによれば、これまで出品者は、アカウント停止や在庫問題など、予期せぬトラブルが発生した際、迅速な解決策を見いだしたり、アマゾンのサポートスタッフに連絡を取ったりすることが難しかった。

 しかし、Ameliaを活用すれば、トラブルを調査・解決することが容易になる。例えば在庫不足が発生した際、出品者はAmeliaにその状況をアマゾンにリポートするように依頼できる。Ameliaが自動的に問題を解決することも可能だとアマゾンは説明する。

 ワールドワイド販売パートナーサービス担当バイスプレジデントの、ダルメシュ・メータ氏は「サポートスタッフとチャットしたり電話で話したりする必要がなくなる」と説明した。