スターマー政権の行く手の課題

 環境保護主義を帯びたスターマーの国際主義は明らかに、社会民主党(SPD)出身のオラフ・ショルツ率いるドイツの連立与党の現行政策とよく似ている。

 実際、英国の新外相のデビッド・ラミーは就任2日目にベルリンを訪問し、通常はフランス外相のために取っておかれる温かさで歓迎された。

 スターマーとラミーは本能的な親EU派で、英国がもはやEU加盟国ではないという現実に対処しなければならない。

 ブレグジットは労働党政権が覆さないと誓ったことだ。2人の狙いはその代わり、EUとの新たな安全保障協定について交渉することだ。

 ただし、エネルギーや気候変動、重要鉱物といった幅広いトピックが潜在的に含まれるように「安全保障」を幅広く定義する。

 それができれば、EUとの全面的な協力拡大の扉を開く楔(くさび)となるかもしれない。それも、EUの単一市場や関税同盟への英国の加盟をめぐる微妙な問題に触れずに、だ。

 ドイツ、ポーランド、スウェーデンを歴訪したラミーの外遊の最中、EUと英国の協力拡大に向けた労働党の考えは温かく歓迎された。

 だが、新たな安保協定に向けた労働党の提案に対するフランスの反応が依然、決定的に重要になる。

 ブレグジットをめぐる長い協議の最中には、EU加盟の義務を避けながら、最も魅力的な要素だけを選び取ろうとする英国の試みを阻止するうえでフランス政府が重要な役割を果たした。

 残念ながら、フランスはこれから内向きになろうとしており、欧州問題について一貫性のある対応を打ち出すことができる政府が誕生するのは何カ月も先かもしれない。

 これは英国だけではなく、EU全体にとっての問題になる。