ベトナムの首都ハノイ(2024年2月2日、写真:ロイター/アフロ)

(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)

 ベトナムの1月から2月の自動車販売台数は前年同期に比べて23%減少し3万876台だった。昨年(2023年)も前年比で25%減少したが、減少は今年になっても続いている。自動車販売台数は景気のバロメータと言ってよい。もし日本で自動車の販売台数がこのように減少し続ければ大騒ぎになるだろう。

 ベトナム政府は2023年の経済成長率を5.05%と発表した。目標の6.5%には届かなかったものの5%は上回ったとしたが、自動車の販売台数が前年比で23%も減少しているときに、本当に5%も成長したのであろうか。政府発表をそのまま信じるわけにはいかない。

崩壊した不動産バブル

 ベトナム経済が不振に陥った直接の原因は不動産バブルの崩壊にある。

 昭和の日本のようにベトナムには土地神話が存在した。ベトナムの一人当たりGDPは日本の10分の1程度でしかないのに、ハノイやホーチミン市の土地価格は日本の2分の1程度になっていた。そんな不動産価格が2022年の秋から下落し始めた。