エディー・ジョーンズHC就任に「もやる」人たち
2023(令和5)年12月13日、日本ラグビーフットボール協会は「日本代表の次期ヘッドコーチにエディー・ジョーンズ氏が2024年1月1日から就任することが決定」したと発表した。ジョーンズ氏は2012年4月から2015年12月まで日本代表ヘッドコーチ(以下、HC)を務めており、今回は再任という形になる。
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日本代表を率いて臨んだラグビーワールドカップ2015では、強豪・南アフリカを倒す快挙を成し遂げた。「スポーツ史上最大の番狂わせ」「ブライトンの奇跡」などと言われ、日本のラグビー人気向上に大きな貢献をしてくれたことは、8年後の現在でも多くの人の記憶に焼きついていることだろう。
そんなエディー・ジョーンズHC就任に関して、メディアの報道やSNSで流れてくる一般のファンたちの反応は、一言で言って「もやもやしたもの」がほとんどだ。
あらゆるSNSをチェックしたわけではないが、筆者の元に流れてくるコメントを見ると、おおむね2種類に分かれていた。一つは「期待できない」という完全否定派、もう一つは「決まったからには全力で応援する」という応援派だ。
「2種類に分かれる」と書いたが、実はこの2つ、どちらも同じ方向を向いているとも言える。両者ともジョーンズ氏就任をまったく歓迎していないのだ。
「決まったからには全力で応援する」という応援派のコメントも、発信者のニュアンスを汲み取れば、「『本当は期待できないと思っているのだが』決まったからには全力で応援する『しかない』」と言っている。
ジョーンズ氏就任の報を聞いて「これで日本代表はさらに強くなりそうだ」という方向性のコメントは、「筆者の手元に流れてきたものに限って」という注が付くものの、皆無なのである。
ジョーンズ氏のHC再任は、なぜここまで否定的に捉えられてしまうのか。私たちは再度「ブライトンの奇跡」のようなシーンを、2027年のオーストラリアで見ることができるのか──。本稿では、これらについて見ていくことにしたい。