ラグビー・ワールドカップ日本大会準々決勝、日本対南アフリカ戦(写真:7044/アフロ)

 台風19号は想定外の大規模洪水被害をもたらしたが、被災者たちはラグビー・ワールドカップにおける日本代表チームの闘いに勇気をもらったと語っている。それほど代表たちの闘いは日本中を沸かせた。

 筆者はラグビーに全く関心をもっていなかったので、当初はボールの行方を見定めるのに苦労した。

 しかし目が慣れてくると、100キロ超の男たちのスクラムやタックルの迫力、大男を空中に持ち上げてラインアウトのボールを取り合う姿、素早いボール・パスとゴールへの突進など、興味をそそられるシーンばかりであった。

 こうしたラグビー独特のテクニックのほかに、特に印象的であったのは多数の外国人選手が日本代表になっていること、そして瞬時に相互の意思疎通を行うこと、正しく言葉通りの「ONE TEAM」であったことである。

 違った国の出身者でありながら「日の丸」を背負って日本チームの一員となり闘う姿は、筆者に将来の日本の姿を考えさせる刺激となった。

21世紀の日本の姿

 日本の少子高齢化は将来の日本の姿を変えようとしている。どんな姿へ変えようとしているのか?

 言うまでもなく多民族国家への変貌である。

 2018年に改正出入国管理法が成立・施行された。従来は「高度プロフェッショナルの専門職」に限られていた枠を、「相当程度の知識または経験を要する技能」にまで広げ、5年間で最大34万人の外国人を受け入れるとしたからである。

 日本はこれまで高度な人材を受け入れてポテンシャルを向上させるようにしてきたが、止まらない少子高齢化で産業界や福祉関係が挙げる悲鳴に敗ける形で「単純労働者」の受け入れに踏み切った。

 条件を満たせば家族も同行できるので、早晩その数は優に100万人を超すことになろう。