総務省から27日に発表された2月の全国消費者物価指数生鮮食品を除く総合(CPIコア)は前年同月比0.0%となり、前月と同じ数字。水面下に向かっていく流れは、足踏み状態となった。

 品目別の動き方は事前予想に沿ったものがほとんどで、「ガソリン」「被服及び履物」「宿泊料」などがコア前年同月比を押し上げる方向に、「生鮮食品を除く食料」「外国パック旅行」「家賃」「教養娯楽用耐久財」などが押し下げ方向に、それぞれ寄与した。

 筆者は今回のCPIコアについて前年同月比+0.1%を予想し、欧米の多くの国の2月分CPI総合と同様に一時的な上向きの動きがあると予想していたが、そこまでの動きにはならず、0.0%にとどまった。

 当面のCPIコアを左右する主要因として、「エネルギー」と「生鮮食品を除く食料」を見ておきたい。

 「エネルギー」の2月分指数は今回105.6で、6カ月ぶりに上昇した。言うまでもなく、国際原油市況の反発が背景。前年同月比は▲7.3%となり、マイナス幅は前月の▲8.2%から縮小した。コア前年同月比に対しては、+0.07ポイントの押し上げ寄与。一方、「生鮮食品を除く食料」の2月分指数は104.4で、3カ月連続の下落。前年同月比は+3.3%となり、プラス幅は前月の+3.7%から縮小した。コア前年同月比に対しては、▲0.09ポイントの押し下げ寄与となり、「エネルギー」の影響を打ち消した。

 2月の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(欧米型CPIコア)は前年同月比▲0.1%で、前月の▲0.2%からマイナス幅を縮小した。季節調整済指数は99.2(前月比+0.1%)で、5カ月ぶりに上向いたが、景気悪化による需給ギャップ拡大やこれまでの原材料価格下落・円高の影響波及などの複合的なデフレ圧力からみて、一過性の動きであり、基調は下向きと考える。