中国・北京で開かれた「一帯一路」の国際会議に出席したプーチン大統領は習近平国家主席を持ち上げまくった(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
  • 中国の経済圏構想「一帯一路」が打ち出されてから10年。北京に参加国が集まりフォーラムが開催された。
  • 「戦争犯罪人」プーチンが習近平の功績を持ち上げまくり、習近平がプーチンの外交をサポートするなど、両国の連帯が強調された。
  • 経済圏構想としては既に「失敗」という評価が定着しており、米国を軸とした民主主義イデオロギーに対抗する連帯へとその性質が大きく変容している。

(福島香織:ジャーナリスト)

 中国の習近平国家主席が「一帯一路」を打ち出して10年目の今年、10月17~18日に北京で一帯一路国際協力サミットフォーラムが開催された。およそ2年に一度のペースで行われるこのフォーラムは新型コロナの大流行で2021年の開催を飛ばして今回で3回目だ。

 だが10周年目でありながら、開催日程が直前まで発表されず、前回と比較すれば出席者の格も下がった。開催日数も2日(開幕式は18日で事実上1日)にとどまるなど、準備不足もあり盛り上がりに欠けるものであった。

 参加国は140カ国以上と過去最大規模をうたっているが、現実には、1回目、2回目ほど元首級の参加者は多くなく、ニュース動画で垣間見える会場の様子も比較的閑散としている。

 背景には、主要7カ国(G7)メンバーで唯一の参加国であったイタリアが一帯一路からの撤退を宣言したことや、スリランカやパキスタンなど一帯一路プロジェクトの債務によって国家財政破綻に直面する国が現れ、その失敗が可視化されてきたことなどがある。

 だが、一方で、ウクライナ侵攻によって国際刑事裁判所から戦争犯罪人として指名手配されているロシアのプーチン大統領が最大の国賓として出席し、大国外交を展開した。さらに、タリバン政権が正式に招待を受けるなど、反米権威主義国家を中心とした地縁政治グループとしての色合いを強めている。

 確か、ヨーロッパとアジアをつなぐシルクロードの復活を目指す経済・貿易・投資の協力圏構想というのが当初の触れ込みだったはずだ。しかし、今は西側価値観に対抗する国際政治の一つの極を形成しつつある。