「東洋のヴェネツィア」との異名をもつタイオーは、水路から続く古い町並みと水上生活の家屋が立ち並ぶ、昔ながらの漁村です。小一時間もあればひと回りできてしまうほどの小さな町ですが、見どころはたくさんあります。路地と渡り廊下と小橋が続く町での猫との出会いは格別です。

 こちらは、材木屋の資材置き場です。棚屋(たなや)と呼ばれる高床式水上家屋の土台と柱になるのは、硬質の木材です。材木の上にいた猫は、まるでカメレオンのような保護色に見えました。

 タイオーは、大火災が発生し家屋が焼失する惨事に何度か見舞われました。このため、家の建材は燃えにくい金属の板が使われるようになりました。燃えにくい金属が含まれたペンキを塗っている家屋もあります。

 そんな建材が置かれている家と家の間で猫が鬼ごっこをして遊んでいました。何度も金属製の板の間をすり抜けたり、隠れたり。