去る7月24日の東京大学哲学熟議『「生成AI」以降の企業戦略と人材育成、法理と倫理』は、立ち見も出る満場の参加者で大いに盛り上がりました。
基調講演をしてくださった甘利俊一先生、メタAI倫理研究所長で伊東研客員教授でもあるクリストフ・リュトゲ君はじめ、関係者、またご来場者に深くお礼を申し上げます。
と同時に、参加できなかったという方からも多数連絡をいただいていますので、いくつかエッセンスを身近な例でご紹介したいと思います。
ということで、突然ですが、皆さんは「ソロカル」というものをご存知でしょうか。写真をつけておきましょう(冒頭の写真)。
「そろばん」+「電卓」=「カリキュレーター」で「ソロカル」。
決して冗談商品ではなく、れっきとしたシャープの主力商品で1978年に第1号機が発売された後、非常に良く売れ、リンクにあるように1985年頃まで、しっかり社会に普及して、よく使われていたものです。
なぜいま、こんなソロカルを出してきたか?
このソロカル的メンタリティを持つ日本人であれば、少なくとも昭和の日本人なら、これから訪れる2020年代「生成AI」の波を全く問題なく乗りこなして行けることを確認したいからにほかなりません。
インターフェ―スと検算習慣
またしてもいきなり本題のAIから話が飛びますが、皆さんはコンビニエンスストアなどで買い物した際、おつりの小銭を検算しますか?
例えば677円の買い物で、千円札を出したら、おつりは323円ですが、そういう確かめ算、つまり検算をする習慣をお持ちでしょうか?
私はあらゆる計算を必ず暗算で確認し、お釣りも確かめます。長年それが習い性となっていて、日本人は誰でもそうかと思っていました。
ところが、私の研究室の1期大学院生、開成高校から東大理学部数学科出身の今井健君、今は東大医学部付属病院准教授ですが、彼ですら「いやー、この頃はキャッシュレスですから、そういうのしないですね」 とのこと。
時代も世代も変わったのだな、と思います。