一人暮らしの米国人が増えているという

 米国でいま一人暮らしをする人が増えている。

 全世帯の中で単身者の割合は29%にまで上がり、過去最高を記録している。それにより、内外から「淋しい米国人」と揶揄されている。

 一人暮らしが増える理由はいくつかの社会的要因と結びついている。最初に指摘されているのが米国人の晩婚化だ。

 寿命が延びていることと関連し、結婚する年齢も遅くなっているため、単身者の人数が増えている。

 高齢化については、考慮しておくべき数字がある。

 米国人の年齢中央値(平均年齢ではない)が2022年に38.9歳に達し、過去最高になったことだ。

 年齢中央値というのは年代的な中間点を意味し、1920年は25歳だった。1980年には30歳になり、2000年には35歳、そしていまは40歳に迫っている。

 表現の仕方を変えると、それだけ長生きするようになってきたということである。

 一人暮らしの増加は、少子高齢化が進む米国では国家経済を維持するのに必要な生産年齢人口が不足することも意味する。

 将来、増加する高齢者の医療費を支えることができなくなる可能性さえある。単身世帯が増え続けるという現象は、こうした諸問題に直面することを意味する。