(古森 義久:日本戦略研究フォーラム顧問、産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 アメリカ議会の中国研究の主要機関が中国の新たな世界戦略の基本的な特徴について発表した。その骨子は次の通りだった。

「中華人民共和国は、習近平国家主席の異例の3期目への留任で一党独裁態勢をさらに強化した。同時に習近平帝国とも呼べる今の中国は、ウクライナ侵略を続けるロシアへの支援を巧みな方法で保ちながら、アメリカへの敵対を多様な手段で国際的に拡大している」

 習近平独裁の強まる今の中国ではコロナ対策への国民の反発が各地で異例の過激な抗議運動へと爆発した。共産党政権は武力をもってでも強引に抑え切るだろうが、これほどの大きな規模、これほど多くの都市で同時に習近平主席退任を求めるスローガンが掲げられるほどの激しい反政府行動が表面に出ることは、独裁国家の中国ではきわめて珍しい。

 独裁態勢の抱える矛盾の噴出だといえよう。では今のそんな中国をどうみるべきか。アメリカ側でのこの中国分析は中国の脅威に迫られる日本にとっても有益である。

「米中経済安保調査委員会」とは

 アメリカ議会の中国研究の諮問機関「米中経済安保調査委員会」は11月15日、2022年度年次報告書を発表した。この委員会はアメリカにとって中国の存在が懸念を生むようになった状況を受けて、2000年に特別の法律により設置された。