参院選当確者の名前にバラを付ける岸田文雄首相(2022年7月10日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

理不尽としか言いようがない安倍元首相への狙撃

 7月8日の金曜日、私はゴルフに行っていた。1カ月ぶりぐらいのプレーだった。行ったのは埼玉県・越生町にあるゴルフクラブで、スタートは午前10時16分。最終組だった。われわれアマチュアのゴルフは、通常ハーフ(9ホール)2時間15分程度で回ることが推奨されている。私たちがハーフを終えて、昼食休憩に入ったのは昼の12時半頃だった。だが安倍晋三元首相が狙撃されたという重大事件について、まったく知らされなかった。

 この衝撃的な事件を知ったのは、午後5時ごろ、帰宅した時だった。「安倍元首相、心肺停止」というテロップがテレビ画面に流れており、妻に聞いて初めてこの事件を知った。

 ゴルフ場の職員は、レストランで働く人も含めて知っていたはずだ。だが誰も客に知らせなかったようだ。元首相が凶弾に倒れるというのは大事件だ。ゴルフを切り上げなければならない人もいるかもしれない。このゴルフ場の対応には疑念を持った。

 報道によれば、安倍元首相を狙撃した山上徹也容疑者は、母親が宗教団体に入れ込み、多額の寄付をしたために一家が破産した。安倍元首相がその宗教団体と関係があったと思い込み、狙撃したと述べているという。こんなことで殺害されるなどというのは、理不尽としか言いようがない。