いま欧米メディアで「鉄のカーテン」という言葉が使われ始めている。
この言葉はもちろん冷戦時代にヨーロッパを分断する象徴的な事例を表したもので、共産主義陣営と資本主義陣営を隔てる表現だった。
1990年10月に東西ドイツが統一されたことで「鉄のカーテン」は終結をみる。
だが、ウラジミール・プーチン大統領がウクライナを軍事侵攻してから、再び使われ始めている。
英フィナンシャル・タイムズは「ロシアは再び鉄のカーテンの向こう側へ」というタイトルの記事を掲載。
米公共ラジオ放送NPRも「マクドナルドなどの企業が提携を解消し、ロシアに経済的な鉄のカーテンが降りる」と告げた。
さらに米クリスチャン・サイエンス・モニター紙は「新たな鉄のカーテン? ロシアの侵攻は世界をどう変えるのか」と題した記事で、ウクライナ侵攻によってプーチン氏は孤立を深めていくことになると記した。
孤立だけではない。
ロシア国内ではウクライナでの戦争で、ロシア政府の政策に反する情報を伝えたジャーナリストに対して最大で「15年の懲役刑」を科す法律を成立させるなど、独善的な手法が目につく。
法律の厳格化が国家を前進させていくとは思えないが、こうした流れによって多くの西側メディアはすでにロシアでの業務を停止している。