「捜索願い」が出されていた?

 豊県当局も正式に調査に捜査に乗り出した。その捜査結果として1月30日深夜、「ネットで話題になっている『8人の子供を生んだ女性』の状況調査報告」を発表した。

 それによると、この女性は1998年6月、豊県歓口鎮と山東魚台県の境にやってきた流浪の物乞いだという。歓口鎮の農民であった董家が身元を引き取り、その後、董家の息子の嫁になった。正式に結婚の登記を行ったが、このとき鎮政府(町役場)の役人は、女性の身元を確認しなかった。その女性が誘拐されたという事実は、調査においては発見されなかった、という。

 また董家で彼女が虐待されていた事実があるかは現在調査中という。地元公安当局は彼女のDNAを全国公安機関共通の被誘拐・失踪児童情報システム、全国公安DNAデータベースに紹介、今のところ合致するデータはないという。

 1月30日の調査報告は、28日の豊県宣伝当局の発表とは大きく違う。このため、地元政府はなにか隠蔽しているのではないか、とネットユーザーたちは疑っている。少なくとも知的障害者である女性が結婚する場合、本人の同意の確認はどうなっているのか。たとえ暴力をふるっていないにしろ、真冬のぼろ小屋で女性を鎖につないで監禁することが法律に抵触しないはずはないだろう。

 さらに言えば、彼女が婚姻の届けを出したとき、法的に婚姻できない年齢ではなかったのか。中国の婚姻年齢は女性ならば20歳以上。だが、彼女が村にやってきたときは15歳前後だったはずだ。