米海軍が開発中の電磁レールガン(資料写真、2012年6月21日、写真:Alamy/アフロ)

(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)

 防衛省がレールガン開発を本格化させます。2022年度より2026年まで研究試作を実施し、並行した試験を2028年まで続けて確認するとのことです。

 新年早々にこの件を報じた新聞報道があり、夢の超兵器だと評価する者がいれば無駄遣いだと叩く者もいるなど賛否両論の議論が沸き起こりました。

 このレールガン開発の主目的が極超音速ミサイル対処であることに加え、直後に北朝鮮が極超音速ミサイルの可能性がある物体を発射したことから、改めて注目が集まっています。

 将来性のある技術なので、研究を行うこと自体には賛成です。しかし、対空兵器、特に対空砲に携わってきた筆者としては、計画されている開発がうまくいったとしても実用性の高い兵器となるのかについては疑問も抱いています。

 以下では、過剰な期待を寄せられているように見えるレールガン開発について、その本当の威力と効果、実用化の可能性などについて考えてみたいと思います。