起業、独立、複業など「自分軸」に沿った選択をすることで、より理想にフィットした働き方を手に入れようとした女性たちの連載「INDEPENDENT WOMEN!」。いつか自分の店を持ちたいと思い、30歳を機にジェラート留学のためイタリアへ。スウィーツの街・自由が丘で人気のジェラテリア「AmiCono(アミコーノ)」を営む井上舞子さんのストーリーの後編。

文=小嶋多恵子 写真=北浦敦子
AmiConoオーナー 井上舞子
1984年生まれ。ジェラート職人、「AmiCono」店主。大学卒業後、在学中よりアルバイトをしていた外食産業大手グローバルタイニングへ就職。その後、語学習得のためのワーキングホリデー、ジェラート留学を経て、帰国後、(株)チャヤマクロビに転職。2017年に独立し、ジェラテリア「AmiCono」を自由が丘にオープン。ランボルギーニ社やマセラッティ社とのコラボ出店等イベント出店多数のほか、カクテルジェラート講座の講師も務める。また2020年に「SIGAイタリアジェラート国際コンテスト」に出場する等、精力的に活動している。趣味はサーフィン。

みっちり知識を詰め込んだ3か月のジェラート留学

 ジェラート留学で訪れたイタリア・フィレンツェ。滞在期間は3カ月だったが、留学費用に加え、東京の家賃も払い続けたため、出費はトータル200万円にもなった。ただその間、みっちりジェラート漬けになれたと井上さん。

「ジェラート留学は1カ月あれば十分と代理店の人から聞いて、とりあえず1カ月申し込みました。観光ビザは3カ月取れるので、残りは自分でなんとかしようと、代理店に紹介された研修先ともうひとつ、現地でジェラート屋さんを見つけて“働かせてください”ってお願いしたんです。プログラムに入っていたイタリア語講座も受けず、その時間もフィレンツェ中のお店を隅から隅まで巡りました。午前と午後と一日中ジェラート屋さんを掛け持ちして働いて、留学というより修行です(笑)」

店にはイタリア留学時代の写真が並ぶ。