起業、独立、複業など「自分軸」に沿って選択することで、より理想にフィットした働き方を手に入れようとした女性たちの等身大のストーリーを追う連載「INDEPENDENT WOMEN!」。国内外のファッションブランドのPRや卸販売、コンサルティングなどを行う株式会社Harumi ShowroomのFounder兼PR Director 春海 茜さんが語る後編です。

文=小嶋多恵子 写真=小嶋淑子

前編はこちら!
「自信もない、お金もない、「やりたい気持ち」ひとつで起業!
https://www.synchronous.jp/articles/-/195

Harumi Showroom Founder兼PR Director 春海 茜
アパレル会社に勤務後、2014年株式会社ハルミショールームを設立。2021年現在の取扱いブランド数は20を超える。春海氏自身がメディアと強いつながりを持ち、PRサービスプロバイダー、ファッションビジネスコンサルタントなど幅広い業務を展開。卸業としては、三越伊勢丹、高島屋などの百貨店からユナイテッドアローズ、ビームスなどのセレクトショップまで全国100店舗以上の小売店にサービスを提供。自身の天真爛漫かつ親しみあるキャラクターはエディターやスタイリストをはじめ業界人からの信頼も厚い。一児の母。

コロナ、デジタルシフト・・・時代が変化する中見つめ直す“私”という価値

 会社を辞め、ひとりでやっていくことに自信があったわけじゃないと語った春海さんだが、現在は変わったのだろうか。

「もちろん独立したての頃は不安な毎日でした。でも仕事のスケジュール帳にアポイントが入る、予定で埋まる状態が続いて、それが何よりの安心材料になりました。ほかにも、例えば“このブランドにはこの雑誌がいい”と攻めのプレゼンをし、そこから雑誌掲載へ、さらに電話が鳴り止まないほどのお問い合わせへとつながっていく。その一連の流れを見るたびに、“あぁ、私の判断は正しかった、認められたんだ”って、熱いものが込み上げてきますよね。その積み重ねが手ごたえや自信になっていったと思います」

 仕事が順調に進む中、新たな課題を感じることも。

「コロナ禍になって2年目ですが、その影響をかなり実感しています。ブランドにとってPRは基本的に月々定額のお支払いなので固定費と捉えられてしまうこともあり、正直コロナ禍を機にご縁がなくなってしまったところもあります」

 さらに、デジタルシフトが急激に進んだことによるPR業界の変化も大きい。

「昨今では雑誌よりもSNSでの広告PRに大きくシフトしていっている。インスタグラムにタグづけしてもらう、インフルエンサーにPRしてもらうなど、デジタルマーケティングが主流になりつつあります。私たちもコロナ以前から自社のSNSを立ち上げたり、メディアでブログをスタートしたりと着手していましたが、最近ではYoutubeを開設するなどデジタル対策を推し進めています。特に、ブランド単体のSNSはあっても、ショールームとしてのSNSをしっかり運営している所はまだ少ないと感じているので、当社の強みになっていると思います」