混迷が続くミャンマーで、軍政による実弾発砲を伴う弾圧方針に疑問を抱いた兵士や警察官が、軍や警察を離脱する事例が増えているという。そればかりか、中には民主勢力側に寝返って軍と戦うことを選択するケースもあるようだ。
報道によると9月27日までの過去2週間で兵士、警察官約450人が民主政権側の武装組織に寝返るか、寝返る意向を示して機会をうかがっていることが分かった。
こうした事態に対して軍政側も駐屯地や軍施設などからの外出を厳しく制限したり、外部からの訪問者に対する規制を強めたりするなどの対応策に出ており、軍内部でも焦燥感と危機感が高まっているようだ。
呼び掛けに応じる形で軍や警察を「離脱」
軍政に対抗するために民主派が組織した「国家統一政府(NUG)」は9月7日、国民に対して「全世界は軍が公営住宅、宗教施設、病院、学校を占拠し、人々を脅し、逮捕し、殺し、私有財産を略奪し、村を燃やすなど、非人道的な戦争犯罪を絶えず行っていることを知っている」として、武装抵抗による「一斉蜂起」を呼びかけた。
その呼びかけの中にこんな一節もあった。
「ミン・アウン・フライン国軍司令官に抑圧されてきた全ての兵士、警察官、公務員に警告する。出勤、活動を停止して、国軍司令官と軍政を攻撃せよ」
つまり、兵士や警察官に対し、現在の職場・任務を放棄して、NUGによって組織された武装市民による「国民防衛隊(PDF)」への参加、つまり“寝返り”を呼びかけたのだった。