「要警戒ワード」を“検閲”するスマホ

 だが最も衝撃的だったのは次の点だろう。

 シャオミの「Mi 10T 5G」が、コンテンツのアクセス制限をしていることが判明した点だ。シャオミのスマホの「Miブラウザ」が、449個にのぼる特定の単語を検知すると、勝手にアクセスを制限する機能があることがわかったのだ。

 この449個の単語とは、中国国内でも中国共産党がアクセス制限をしている“要警戒ワード”だ。

「Free Tibet(チベットに自由を)」「Voice of America(ヴォイス・オブ・アメリカ=米政府のメディアの名前)」「Democratic Movement(民主的な運動)」「Longing Taiwan Independence(台湾独立への切望)」などである。

 以下に「禁止ワード」の一部を列記してみよう。

<中国語:日本語>
宗教虔信者阵线:宗教信者の組織
西藏自由:チベットに自由を
蒙古独立:モンゴル独立
89民运:89年天安門事件
基督灵恩布道团:キリスト教カリスマ派布教団
伊斯兰联盟:イスラム連盟
民运:民主化運動
妇女委员会:女性委員会
伊斯兰马格里布基地组织:イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ
台独万岁:台湾独立への切望
美国之音:ヴォイス・オブ・アメリカ

 どうだろう。「ユーザーに対する情報統制をする気満々のラインナップ」と言えるのではないだろうか。欧州連合(EU)内では現在、これらの機能は非アクティブ化されているが、メーカーサイドはいつでもリモートでオン状態にできるし、単語を追加することも可能になっているという。

 ちなみにシャオミ側ではこうした指摘に「ユーザーとの間の通信を検閲しない」と反論している。