新型コロナウイルス感染症は、2021年8月、昨年来の流行で最低最悪の蔓延状況に陥っています。
私はこの時期、街に出ないようにしており、神奈川県内の某所に缶詰になって、ミュンヘン工科大学との「シュヴァイツァープロジェクト」コロナにあらがう芸術の取り組みに集中しており、本稿の入稿はそのために遅れてしまいました。
小人数の若い音楽家、芸術家たちと録音録画などを進めています。メンバーにはワクチンをもう打った人も打ってない人も、またアレルギー体質のために医師と相談してワクチン接種を見合わせた人もいます。
そうした一人ひとり、事情によらず全員を大切ケアするのが、私たち責任者の務めです。
管楽器奏者や声楽家の場合、コロナへの罹患はそのまま「廃業」に直結しうる恐ろしい後遺症をもたらすリスクがあります。
そうした詳細を若い演奏家たち一人ひとりに懇切に説くようにしています。
例えば「肺の線維化」。
言葉は知っていても、その現実を若い演奏家たちは知りません。線維化を筆頭に、すでに様々知られているコロナ後遺症「ロングCOVID」の実態を認識すると、音楽家は全員、戦慄してフリーズします。
そして用心深くなる。そういう意識の変化が重要です。
しかし、日本国内の社会的な空気は、その切迫感が全く希薄だと言わざるを得ません。