12〜15歳のワクチン接種を始めたイスラエル(写真:AP/アフロ)

 ワクチン接種率に関して、国際的に見て圧倒的に先頭に走っているのはイスラエルだろう。

 イスラエルは6月にワクチン接種接種の証明書である「グリーンパス」の廃止を含め、マスク着用や渡航制限以外の規制を全面的に解除するに至った。ワクチン接種を受けていなくても、自由に行動できるようになった。15日からはマスク着用義務さえ解除した。

 イスラエルの用意周到な感染対策から学ぶべきところは何か。今回はその点を考察する。

 イスラエルでは、コロナの死者が皆無になったばかりではなく、感染者も激減している。同国も、ピークの1月下旬には感染判明が1万を超え、死亡者数こそ1日最高で100人程度と他国よりも少なかったが、4月まではロックダウンも実施していた。

 それが最新のデータを見ると、6月に入ってからの12日間の死亡者数は16人、感染が判明した人の数も186人にとどまった。国際的に死亡が少ないとされる日本も、6月12日の1日だけで死亡者数は55人、感染判明数も1944人に上っている。イスラエルの感染状況が大幅に改善していることが見て取れる。

 イスラエルのワクチン接種が加速した背景を見ると、日本でも対応できそうな部分と、すぐには真似できないと考えられる部分がある。

 共通していそうな部分について3つ紹介すると、一つは2月から発行していた、いわば通行手形のグリーンパスだ。