マレーシア警察は5月18日、同国東部のボルネオ島(インドネシア名=カリマンタン島)でフィリピンのテロ組織「アブサヤフ」のメンバーとみられる5人を銃撃戦の末、殺害したことを明らかにした。
ボルネオ島北西部の都市ビューフォート周辺では4月末から5月にかけて、マレーシア治安当局によるアブサヤフメンバーの逮捕、拠点摘発などが進められており、これまでに約50人が逮捕されている。
中東のテロ組織「イスラム国(IS)」を支持するアブサヤフの摘発作戦はフィリピン軍などからの情報に基づくものだった。ボルネオ島は、フィリピン南部にあるアブサヤフの活動拠点の一つであるスールー諸島と地理的に近接していることから、「アブサヤフメンバーの海外脱出先、そして潜伏先としてマレーシア領ボルネオ島が利用されている」と見られており、マレーシア側は摘発作戦をさらに強化する方針という。
マングローブ地帯の隠れ家急襲で5人殺害
ボルネオ島は、マレー諸島の一つに数えられる島で、その面積は日本の国土のおよそ倍という広大な島で、マレーシア、ブルネイ、インドネシアの3国が領有している。
そのボルネオ島のマレーシア領であるサバ州のハザニ・ガザリ州警察長官は5月17日、地元メディアなどに対して、ビューフォート市近郊のマングローブの沼地にあった民家を急襲し、激しい銃撃戦の末、民家に潜んでいた男性5人を殺害したことを明らかにした。
5人はフィリピンで活動していた「アブサヤフ」の幹部の1人であるマバール・ビンダ容疑者を含むメンバーで、いずれもフィリピンでは「テロリスト」として指名手配を受けていた。